法貴 彩子ピアノコンサート

4/24(日)第2回クリニックサロンコンサートも無事盛況に終わりました。現代曲を得意とされる法貴さんということで、第1曲のベートーヴェン以外はほぼ誰も知らない曲だったと思います。

そういうわけで第1曲はベートーヴェンのピアノソナタ第17番「テンペスト(嵐)」。前日まで快晴だった空模様もいい具合に崩れてテンペスト日和。もしや法貴さんならではの嵐のような有り得ない演奏が聴けるのではと期待したりしたが、意外と「借りてきた猫(客席からのコメント)」のようなきっちりとした演奏でした。

次のエスケシュの3つのバロックエチュードから本領を発揮されます。超高速で最初こそバロックっぽく調もわかる第1曲だったが途中から調はわからなくなり不協和音の嵐。2曲目は変拍子でおどろおどろしい。どこにバロックが隠れているかなどもはや誰にもわからず、忍び寄る死神のような曲でした。それまでベートーヴェンも客席で大人しく聴いていた女の子が怖がって泣き出したため、スタッフルームまでご案内することになりました。第3曲では糸が切れたように精神崩壊。ニヒルな薄ら笑いを浮かべながら暴れ回る中で時々思い出したかのように多様にバロックの旋律が顔を見せるが、黒い波の中に埋もれていくイメージです。精神病院のなかで最期を迎えたかのように終わります。先ほどスタッフルームに案内した女の子は音をかき消すかのようにキーキーと音をたててお絵描きをしてやり過ごしていたようです。

プログラム3つ目は世界的に有名な松下眞一。楽譜を見せてもらったところどうやって演奏するのかさっぱりわからない図形もありましたが、手のひらや腕全体などを使ってガシャっと鍵盤を押さえて弾くそうです。また作曲家の指示で演奏中に任意の場所で突然停電で真っ暗にしないといけないので、どの場面で電気を消そうかと私の方が緊張しました。なお停電中の演奏は照明が復帰するまでアドリブで弾き続けなければならないらしいが、不幸にも原爆や水爆が落とされた場合はこの限りではないとのことです。また演奏中突然立ち上がり、客席を突っ切って後ろでアルコール手指消毒をしたかと思うと舞台に戻り、高槻のお菓子を召し上がっておられました。これは作曲家の指示ではハンバーガーをほおばるとなっていたのを変更されたようです。

プログラム最後、アメリカの作曲家プッツの交流電流。私は幸運にも法貴さんによる日本初演を7年前にお聴きしたことがあります。とても人間が弾く曲とは思えない超高速の曲ですが、きっとお客様も唖然とされていたことでしょう。

今後も恒例とするかどうか検討中ですが、アンコールで院長がしゃしゃり出できて連弾させて頂きました。今回はフランスに留学されていたマニアックな法貴さんということで、カプレ作曲「小さなこといろいろ」より2曲。カプレはフランスの作曲家で、ラヴェルが5回挑んでついに1度も取れなかった作曲コンテストのローマ賞で、ラヴェルを抑えて第1位を獲得された方です。小さなこと色々は5曲からなる可愛らしい連弾組曲で、プリモは両手ともポジションを移動することなく白鍵のドレミファソだけ弾いていれば良いのですが、どれもハ長調ではない全て異なる調の曲なのが面白いです。今回客席の反応を見ながら第1,4曲を弾かせて頂きました。

今後の予定も続々決まっております。それぞれ詳細が決まりましたらご案内致します。
7/24(日)森本美帆さん
10/10(月祝)荒石果穂さん
11/13(日)芹澤佳司先生
12/11(日)萬谷衣里さん
1/22(日)前田美和さん

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